RソックスのせいでなったPTSD(心的外傷)の古傷が疼いた。
 この映画の原題は「ゲーム・シックス(第6戦)」である。レッドソックス・ファンにとって、「ゲーム・シックス」といえばその意味する所はただ一つ、1986年、メッツ相手のワールドシリーズ第6戦だが、この試合、レッドソックスは、「大リーグ史上最悪」といわれる逆転負けを喫した。 2点リードして迎えた延長10回裏、「二死走者なし、あと一人で68年ぶりのワールドシリーズ優勝」という状況で、どんな脚本家の想像力をも絶する筋書きで逆転されたのである。
 映画は、この恐ろしい逆転負けの経緯と、ファンが味わった心的外傷の大きさを克明に再現しているが、幸い公開1年前にレッドソックスがワールドシリーズに優勝していてくれたおかげで、私は多少なりとも心に余裕を持ってこの映画を見ることができた。
 ボストンのあるレンタル・ビデオ店では、「1986年レッドソックス」のビデオを、スポーツ部門ではなく「ホラー映画」部門に陳列していたが、もし優勝していなかったら、私のPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、この映画のせいで確実に再発していたのではないだろうか。

李 啓充(大リーグコラムニスト)

運命、野球、恋人、家族、
人は思い通りにならないものだけを、深く愛することができる。


名越康文(精神科医)

人生も野球も評価や結果を気にしては良いパフォーマンスを発揮することはできません。野球は人生の縮図のようです。

今関 勝(ベースボールアドバイザー)